凍てつきし我が青春の日々㉑

昭和20年1月20日(土)曇

昨夜は腹が痛くなって、よく眠れなかった。朝の駆け足は止めようかとも思ったが、我慢して走った。今朝の駆け足は割に楽であったが、坂道を登る時は苦しくて、息が止まりそうである。

事業服が汚れているので洗濯しなければならないが、寒いのと、時間が無いので今日も出来なかった。

今日の食卓番も無事終わる事ができて安心した。

寒さも未だ続く。寒くても昼間は眠くなる。実務が滞って困る。

昭和20年1月21日(日)曇

夜半から腹が傷み出して、朝の駆け足は出来ないかとも思ったが、やはり走った。佐世保駅まで走ったところで、我慢できず駅の便所に駆け込んだ。今日の駆け足は本当に苦しかった。

午前大掃除、洗濯をした。午後引率外出、行くところも無いので、映画館に入ったが、時間が気になって、全部見ないで途中で出た。

上等兵一等兵を全員集めて制裁を加えた。

連日の疲れから夜はよく眠れる。

昭和20年1月22日(月)曇

寒さも峠を越したとは言うものの、未だ未だかなり寒さである。朝の駆け足は危く落伍しそうであった。腹具合は大分良くなった。明日は食事は控え目にしよう。

昭和20年1月23日(火)曇

時計が五時を報じるともう落ち着いて眠れない。僅かの間うとうとしていおるのもいい気持ちである。

愈々講習もあと二旬を残すのみとなった。三ヶ月も過ぎてしまえば短いものである。冬と言う季節の講習で、時期が悪かったので、夜の温習には身が入らず、今となって自分の不勉強が後悔される。

今年になってからは未だ何処にも便りを出さないが、家でも心配していることだろう。生来の筆不精がなせる業だ。努めて便りはしなければならない。