雪国に縁がない人生だった

雪国に縁のない人生だった。結婚するまでは。

雪国に嫁いで8年近くなる。地元は年に数回雪が降るか降らないか。めずらしいもんだとテンションが上がった記憶もあまりない。出不精だから。その上社会人になって車通勤になるとなおさら雪が怖かった。年数回降るか降らない雪のためにスタッドレスタイヤを買おうとは思えなかった。「雪めんどくせえ」と思っていた私がまさか雪国に嫁ぐなんて…と未だに思っている。雪国での冬はいつもより少し早起きをしなければいけない。なかなか身体が動かないからだ。ひんやりした衣服を身につけるのは嫌なのでこたつでしばらくあたためなければならない。のっそり支度を終えると車に積もった雪を下ろしてエンジンをかけ、曇ったガラスをどうにかしなくてはいけないのでなかなか出発できない。少しでも朝寝ていたい私にはこれが辛くてしゃーなかった。そして出発したはいいものの、やはり安全運転を皆心がけるので渋滞する。それも加味して家を少し早く出なければならない。早起きが加算される。辛い。朝起きて誰かの雪かきの音が聞こえた時の絶望はもう味わいたくない。

毎年も冬を恐れていたので今年の雪のなさには拍子抜けした。拍子抜けしたのは一瞬であとは拍手喝采状態がずっと続くくらい雪が降らなかった。

 

何で桜も散りつつある今、雪雪言い出したかというと今月のクイックジャパンでこだまさんが雪について触れていたからだ。雪国出身の人は私より雪が嫌いに違いないと思い込んでいたけどそうじゃなかった。子供の時からワクワクしている。大人になってからも雪の中を冒険しているそのスタンスにとても驚いた。大人になると目的地がコンビニのように現実的だっていいじゃないか。何でも面白がる気持ちってやっぱ大事だなって思い出させてくれた。

あと最後まで文の引きが強い。これいっつも。こうやって自分はこんな所感を持ったなって拙いなりに文を書かせてしまう力があると思う。それはこだまさんの文章を読んだ後が私は一番多い気がする。すげーなすごいです!!

 

このご時世で引きこもってるせいか、心の洗濯の時間のお風呂の時でさえ、忘れていた恥ずかしいことや誰かをあの時傷つけてしまったな…と思い出すことが増え「はぁ〜〜」とか「ああ〜〜」が口からこぼれてしまう。そういえばこの間の土日は夫と外に一歩も出ないチャレンジをして成功した。やっぱ外に出れないって辛くてマイナス思考になるなってしばらく思っていたけど、よく考えたら今でも職場には普通に出勤しているし、コロナウイルスが蔓延する世界の前から休みの日は全然外に出ないでゲームとか漫画読んでいたし、生活サイクルは何も変わっていない。なんなら去年は4ヶ月ニートして普通に部屋で毎日過ごしても何も辛くなくて引きこもる才能は相変わらず十二分にあると思った。外出は常に控えている人生だったのだ。マイナス思考も元からだった。外出の理由があるなんて連休で実家に帰るときくらいなもんだよ。今年はGW帰れないのでかぎ針編み作品3個くらい作ってお取り寄せした551の肉まんと六花亭のお菓子セットをむさぼり食おうと思います。

終わり。