ねこへのきもち

2017年から二年間一緒に暮らしていたねこのくるみ。

2019年に夫の転勤が決まり、夫の実家から引っ越すことに。

そのときのお別れの記事

https://namidamenoo.hatenablog.com/entry/2019/04/08/013919

 

今回は本当のお別れの記事。6月10日に亡くなってしまった。その時の気持ちを忘れたくないから日記を書こうと思う。

 

6月5日(土)

夫の実家の近くのサウナ施設に泊まる用があったのでくるちゃんにも会う。

お風呂にいれたのにうんちの臭いがただよっていた。よくみるとお尻が膿んでいたので病院に連れて行く。

注射をうってもらい様子をみることに。診察券を受け取り忘れた。次回お世話になるまで預かってもらうことにした。

 

6月6日(日)

お尻の膿はすっかりきえていた。

注射が効いたようだ。

抱っこをしたら普段はすぐ身体をねじって腕から逃げていくのに、めずらしくずっとじっとしていた。

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これが最後の抱っこだった。

小さくてあたたかくてかわいい。背骨がこつこつする。

またねと言って実家をあとにする。

 

6月10日(木)

昼休憩中、夫から電話していい?とラインが来る。

まさかと思いすこし覚悟して夫に電話をする。くるちゃんが亡くなったと聞く。

急死だったようだ。翌日午後休みをもらってすぐかけつけようとはなしあった。

残りの休憩時間涙がこぼれないように必死でがまんしたけどどうしても出てしまう。

「涙 我慢 方法」で検索をかけてたくさん試したけど全部効かなかった。

上司に「夫の実家のねこちゃんが死んじゃったので明日半休ください」と伝えると

「はあ?」という顔をされ実際に「はあ…」とふわっとした返事をされた。

そういえばこの人は「私絶対動物飼えない〜無理無理」と言っていたなと思い出す。

ばーかばかばかうんち!と心の中で悪態をつく。

 

やっと仕事を終えて、外に出た瞬間涙がとまらなかった。

泣く時は嗚咽系のわたしだが、この時は声を抑えることができず、かなり大きな声で呻いていた。

駐車場まで歩く時も車に乗ってからも運転中もずっと泣いた。

マスクをしながら泣くと濡れた部分が肌に当たってかなり気持ち悪いと知る。

 

よりによってこの日は美容院の予約をいれていた。

キャンセルも考えたが、行くことを決める。

予約の時間まで二時間空きがあった。家で何もしてないと泣いてしまう。

わたしは泣くとまぶたがめちゃくちゃ腫れるのでこれ以上泣き続けるのは避けたかった。

没頭が嫌なことを忘れさせてくれるとオードリーの若林が言っていたことを思い出す。

わたしの一番好きな芸人だ。

ひさびさにスプラトゥーンをやった。本当に勝って嬉しい、負けて悔しいしか頭になく涙はとまっていた。わたしにしてはかなりめずらしい14キルを叩き出し何かが覚醒している気がした。

 

美容院に行く間もちょっと泣いたりしたが、到着後は普段通りでいれた。

シャンプー台に促され、席を倒されガーゼを顔に乗せられる。

そのガーゼが猫シャンプーと同じ匂いがして、洗髪されながらこっそり泣いた。

くるちゃんもシャンプーされているときよく鳴いてたな。普段ほとんど鳴かないのに。

余談だが今回も写真で見せた希望の髪型と違った。

「切りっぱなしボブをお願いします」と伝えたら、完成時「切りっぱなし風ボブできました」と言われ笑いそうになった。風って便利だな。

 

6月11日(金)

午前中の仕事を終えて、夫とともに実家へ向かう。

火葬は土曜日なので亡骸くるちゃんはまだ家にいる。家に入る前すごく緊張した。

どんな格好でどんな状態で亡骸くるちゃんはいるのだろう。

亡骸くるちゃんは箱の中にいた。黒いタオルの上に横たわったくるちゃん。

その上に黒いタオルがかけられお花が置いてあった。

タオルをそっとめくると先週抱っこしたときと同じサイズのくるちゃんがそこにいた。

瞬きをしないのと冷たくなっている事しか違いはない。

正直死んじゃったくるちゃんと対面するのは怖かったが、実際に会うと亡骸になってもかわいくて愛おしいと思う自分に驚いた。

身体や頭を撫でてしばらく見つめながら泣いた。

ふとかけられたタオルが見覚えのあるものだなと気づく。

わたしがこの家に忘れていたKen Bandのライブで買ったタオルだった。

よりによってFUCK KENとプリントされている。

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黒かったからという理由でチョイスした義母おもろ。

よくみたら下に敷かれたタオルはわたしが初めて行ったBUMPのライブで買ったRUN RABBIT RUNのツアータオルだった。こっちもバンドタオルかい。

 

時間が空いたので、動物病院に忘れてしまった診察券を取りに行くことにした。

受付の女性にくるちゃんが亡くなったことを告げるとわざわざ獣医の先生二人を呼んでくれて挨拶をしてくれた。

とても驚いていた。それだけ突然の死だった。

診察券を忘れていなかったらきっとできなかった挨拶だ。今までお世話になったこと、感謝を伝えることができてよかった。

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この「くるみちゃん S 」という文字見る度に笑ってしまう。かわいい。

 

赤ちゃんくるちゃんをペットショップで買ってきた義理姉も駆けつけ、夜はみんなで酒を飲みながらくるちゃんの画像や動画を見ながら過ごした。

わたし、夫、義理姉、姪っ子はとくにくるちゃんが好きな一族で、スマホのホーム画面が全員くるちゃんだったと知った時みんなで笑ったことを思い出した。

 

今夜からはこの家で寝ていてもくるちゃんはやってこない。

腕の中で寝てくれるけど短い時間でどっかいちゃって、本気で寝る時はいつも脚の上だった。

寝苦しいけど幸せだったあの時が二度とないと思うと寂しかった。

亡骸を見てもまだまだ実感がわかない夜だった。

 

6月12日(土)

火葬場は山の上の静かな場所で、中はとてもきれいなところだった。


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お葬式的なこともしてくれてみんなでたくさん泣いた。

こだまさんにプレゼントした竹細工のまたたび入りのおもちゃはくるちゃんもお気に入りだったので、一緒に火葬してもらった。あとBUMPのタオルも一緒にお空へ行った。

火葬が終わり骨になったくるちゃんはめちゃくちゃかわいくて、骨になってもこんなにかわいいとんでもないねこだと思った。

骨をかわいいと思う日が来るなんて思わなかった。

分骨などはせずに骨は全部共同墓地に置いてきた。また来ます。

 

お昼をみんなで食べた後我々夫婦は帰宅した。

家についてから夫はとても気落ちしていた。何度もため息をつき「つらい」と呟いていた。

赤ちゃんのときのくるちゃん、出産したくるちゃん、母になったくるちゃんなどわたしよりずっと長くくるちゃんを知っているのだから無理もなかった。

亡くなる前の週に病院に連れていったりお風呂にいれたことが負担になっていたかもしれないと悔いていた。

わたしは病院にいかなかったら苦しんでた時間が長かったかもしれないよと伝えた。義母が介護できるとも思えなかった。

お風呂に入ったからきれいな身体で火葬もできた。悔いることはひとつもないはずだ。

 

次の日もその次の日も夫の家でのため息と「つらい」発言は止まらなかった。

義父さんが死んだ時より落ち込んでるねと伝えるとそうかなと力なく笑っていた。

愛情を注がれるより、注いでいる時のほうがその対象がいなくなってしまうと辛いのかもしれないと知る。

そういえば「大豆田とわ子と三人の元夫」でも愛されるより愛する方が人生は楽しいみたいなこと言っていた気がする。

こんなに落ち込んでいる夫は見たことなかった。これはわたしまでめそめそしてる場合じゃない。なるべくいつも通り過ごすぞと切り替えると不思議と泣くことは無くなった。

特に無理をしているわけじゃない。むしろ何かが軽くなっているのがわかった。火葬という儀式の力もあったのかもしれない。

 

6月16日(水)

夢にくるちゃんが出てきた。見知らぬ室内にくるちゃんの亡骸があって。ちょっと目を離してまた亡骸をみるとオッドアイになって生き返っていた。夢だからこれがくるちゃんなようでそうじゃないようなふわふわした概念だったけど、生き返ったねこにはとりあえず水!!と思って水をあげるとめちゃくちゃ勢いよく飲んで、毛がどんどん艶々になって活発に動き出した。突然ねこは自動ドアのほうへ走り出し、小さくて軽いくせにセンサーが働いてドアが開いた。外に出たくるちゃんかもしれないねこは女子高生になっていた。女子高生になっても走るのをやめなかった。もうこれは逃げられるなと覚悟を決めてわたしは大きい声で「そっちがいいのーーーー?」と呼びかけた。すると女子高生は「外がいいーーーー!!!」とこちらを見向きもせず声を張り上げ、人混みの中に消えていった。ここで目が覚めた。めちゃくちゃおてんばそうな女子高生だったな。かわいいな。そんなことぼんやり考えたいたら朝の支度が遅れて遅刻しそうになった。

 

身内が亡くなると初七日までの間にいつも夢に出てきてくれる。くるちゃんも例外じゃなかった。

15歳まで生きたくるちゃんはちょうど女子高生の年齢だし、窓から外を眺めるのが好きだった。夢に出てきたあの子はきっとくるちゃんだ。

 

夜、夫に散歩の引率してと頼まれ一緒に歩いてコンビニへ行く。引率される側が一人の場合これは引率と呼べるのだろうかと考えながら歩いた。

散歩をしてからだんだんため息が減ってきた。よかった。

 

6月20日(日)

翌日に夫は実家の近くで仕事があるため前のりしていた。実家に顔を出した夫からラインがきた。

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くるちゃんは靴棚に入るのが好きだった。

我々が実家に帰った時靴棚からぬっと出てきて迎えてくれたこともあった。

靴棚の中でどんな風に過ごしていたか知らないけど、想像したら泣いてしまった。

久しぶりにくるちゃんのことで泣いた気がした。

 

 

自分のテリトリーに急に入ってきたわたしをすんなり受け入れてくれたくるちゃん。一緒に住み始める初日から膝の上に乗ってくれましたね。一緒に住んでいた時、私が仕事から帰ってきて2階へあがると必ずついてきてこたつで一緒に過ごしましたね。ファミチキを買って帰った日は野性味が増すので食べるのが大変でした。夏はひんやりシーツの上でよく一緒に昼寝をしましたね。ネトゲをしているとキーボードの上でわざとごろごろしたり踏んづけたりするので結果チャットをうっていましたね。「今のはねこがやりました」とあとでフォローするの結構オイシイなと思っていました。

知らない猫のことはシャーと威嚇するのに、知らない人間にはなつっこいへんなねこ。お坊さんが好きなへんなねこ。

へんなとこも大好き。仲良くしてくれてありがとう。

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